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昨日の父

昨日は父の眼科受診日、
介護タクシーで送られて来た時は、眠り込んでいますが、
手を握って「絵文字子よ。」
と言うと、嬉しそうに返事してくれる。
診察待ち時間、昨日はよく話してくれたけれど
「塾で教えることになった。
進研で教科書を頼まれた。」
学校を定年退職した後、進学塾で教えていたり、
若い頃から参考書を書いたり、
教科書の編集に携わっていたこともあるので、
嘘ではないけれど、
夢の世界の方が現実になっているようでした。
「凄いね!」と言うと
顔をくしゃくしゃにして
絵文字子のお陰で。」と言う。
呆けたとしても、何か楽しそうに生きているから、
可哀想じゃない〜と思いました。

診察後、タクシーを待つ間、珈琲を買いました。
春は苺、暑い季節は西瓜、
施設にはイチジクを持って行って食べさせたので、
久しぶりの珈琲でした。
今までなら一人でコップを持っていたのに、
何か危なっかしくて、
ずっとわたしが持っていました。

飲み終わった後、父は
「この珈琲とケーキ、わたしがいただけるのですか?」
と恐縮したような喋り方
(今度一口ケーキを持って行こう…)

気候の良い時期なので外で待つことにした。
「空が明るいのが見える?」と尋ねると
「見えるよ。複雑な模様。花の蕾もある。」
父は視力を失った後、しばらくしてから、
もう一つの世界が見えるようになったのでは
ないかしら?
目ではなく脳で何かを見ている感じ。

病院を出る時
「おばあちゃんに先に行っててと言って。」
と父は言った。
亡き母は、今は父のそばにいるのかな?

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