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続き

白い菊の花弁に埋もれてお棺に入った姑は10も20も若返って見え艶やかにさえ見えました。
このまま置くことを許されたなら、もっと若返って生き返るのではないかしら?
死んだなんて嘘で、眠っているだけのようにも見えました。

今までどんなに死に顔が綺麗とか生きてるみたいと言われた方を見ても、
死んでしまったら置物のようでそこに生は感じられない。
魂が抜けると本当にただの殻になってしまう~
と虚しさしか残らなかったのに・・・

亡くなられた時は病で亡くなった年齢相応にやつれて見えました。
入れ歯をはめて、最初は看護婦さんが簡単にお化粧をして下さいました。
時間の経過とともに点滴液が漏れてパンパンに脹れていた手足の液が何か変化をもたらせたのか、
葬儀関係の方が入れたドライアイスの影響もあってか、
皺ひとつない肌が蘇ってきたかのようでした。
もっと綺麗にしてあげたくて
義姉と相談して、二人でもう一度死に化粧することにしました。
カラーは私が提案して、姉がリップやチークを加えました。
すると化粧が肌に吸着したかのように、
うっすらと綺麗に艶やかに化粧映えして来ました。
信じられないくらい若返って見えた姑に目を見張りました。
そこまでは義姉と私の自己満足でしたが、
葬儀に来られた親戚の方達、特に女性の方達、
姑の妹さんも一目見るなり「何て綺麗な~」と言って泣いておられました。

昨日スポーツクラブで年長の色々詳しい方にお聞きしたのは
高齢で徐々に物を食べなくなった地点で寿命が近づいて来ているから、
もう身体が食べ物を必要としなくなっていること
そのまま食べないのが一番楽に死ねる~ということでした。
けれど脱水症の心配や肺炎を患われたことで一か月ほど入院して
点滴投与で生き延びられたのですが、
それは苦しい思いをさせてしまったということになるのかしら?
ミイラ化して亡くなってしまうとわかっていて、家族ならほってはおけないでしょう。

女性なら点滴して潤って綺麗な死に顔を残したいと思うのではないかしら?
義姉は母親に死に化粧しながら、愛おしそうに微笑まれていました。

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